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トリッピング・ザ・ライブ Paul McCartney
トリッピング・ザ・ライブ Paul McCartney は、1989年〜1990年に新たなメンバー編成で行ったワールドツアー です。大規模なライブコンサートはウイングス・オーバー・アメリカ・ツアー以来13年振りの事です。このツアーは映画『ゲット・バック』として公開されました。
ワールドツアーまでの道のり
1980年代はポールにとって日本公演の中止など様々な事件が起こった年です。
その中でも1980年12月のジョンの死は大きな出来事でした。ショックで一時活動停止状態が続いた時期でもあります。それでも立ち直りを見せるポールは1982年に素晴らしいアルバムTUG OF WARタッグ・オブ・ウォーを届けてくれました。
その後1982年パイプス・オブ・ピース 、1984年ブロードストリート、1986年プレス・トゥ・プレスなど低評価が続きまが(個人的にはパイプス・オブ・ピースなどよくできたアルバムだと思いますが)、1989年にエルビス・コステロとの共作曲もあるアルバム 「フラワーズ・イン・ザ・ダード」の発売で「ここ10年におけるポールの最高傑作」とロサンゼルスタイムス紙の評論家から言われるほどの高い評価を受け、セールス的にも大成功を収めます。
ワールドツアーまでのライブパフォーマンス
・1985年ライブエイドでレット・イット・ビーを演奏
マイクトラブルにより音声が途切れ口パク状態になる。(誤まってポールのマイクプラグを抜いてしまったとのこと)
・1987年プリンス・トラストで「ゲット・バック」、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、「ロング・トール・サリー」を演奏
ここではアコースティックを持ったポールがステージ上で熱いパフォーマンスを繰り広げます。インタビューでは『リハーサルでロング・トール・サリーがオリジナルキーで声が出なかった』と言っていたが、本番ではオリジナリキーで歌うことができて自信になったと語っています。
そしてフラーワーズ・イン・ザ・ダードのバンドメンバーとワールドツアーへ!
トリッピング・ザ・ライブ2CD
1990年発表の2枚組ライブ盤
1989年9月〜1990年6月の行われたワールドツアーを収録。
全27曲
ツアーメンバー
ツアーでは、ヘフナーのバイオリンベースでプレイ
今までのポールのバンドの中ではタイトで技術の高い演奏を聴く事の出来るメンバーが揃っています。特にロビー・マッキントッシュのギターテクニックはさすがです。
演奏曲
ディスク1
1.Showtime
2.Figure Of Eight
3.Jet
4.Rough Ride
5.Got To Get You Into My Life
6.Band On The Run
7.Birthday
8.Ebony And Ivory
ロスアンゼルス公演ではスティーヴィー・ワンダーが飛び入り参加。日本公演ではカットされた曲
9.We Got Married
10.Inner City Madness
メンバー全員で作った曲のリハーサルテイク
11.Maybe I’m Amazed
12.The Long And Winding Road
13.Crackin’ Up
14.The Fool On The Hill
15.Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band
ポールとロビー・マッキントッシュのギターバトルです。
ライブドキュメンタリー「ゲット・バック」ではポールがフレーズに行き詰まり最後にソロを投げ出してしまうバージョンでしたが、CD盤では最後までギターソロ弾いているバージョンが聴けます。
16.Can’t Buy Me Love
17.Matchbox
リハーサルテイク
18.Put It There
19.Together
メンバー全員の共作でリハーサルテイク
ディスク 2
1.Things We Said Today
2.Eleanor Rigby
3.This One
4.My Brave Face
5.Back In The U.S.S.R
6.I Saw Her Standing There
7.Twenty Flight Rock
8.Coming Up
9.Sally
リハーサルテイク
10.Let It Be
11.Ain’t That A Shame
12.Live And Let Die
13.If I Were Not Upon The Stage
14.Hey Jude
今回のツアーで初めて演奏し、以後のライブでは必ず演奏される。
15.Yesterday
16.Get Back
17.Golden Slumbers (Medley)
18.Don’t Let The Sun Catch You Crying
リハーサルテイク
本格的なライブは13年ぶりという事もあり、ポールの声帯の筋肉が落ちてしまっているようで声が出にくく、安定しないのが残念ではありますが、このライブがあったことで、以降活発なライブ活動を行うポールの活躍があります。
ビートルズの曲を封印していた呪縛が解け自由になったポール・マッカートニーのトリッピング・ザ・ライブ・ツアーはポールファンなら是非聴いてほしいライブです。
ちなみにこのツアーは、ポールがソロとなって初めて行った日本でのライブとなります。1980年に果たせなかったライブですが、以降何度も日本に足を運んで楽しませてくれています。