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The Band ラスト・ワルツ マーチン・スコセッシ監督
The Band ラスト・ワルツ は、1976年11月25日The Bandの解散コンサート、 ロバート・デ二―ロとライザ・ミネリが共演した映画『ニューヨーク・ニューヨーク』やジョージ・ハリスンのドキュメンタリー『リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド』などの音楽映画も監督したマーチン・スコセッシにより映画化されたロック史に残る名作です。
解散コンサート「ラストワルツ」の経緯
スタジオでアルバム制作を中心に活動していきたいロビー・ロバートソンと、ライブ活動を続けていきたいメンバーとの方向性の違いが解散、ファイナルコンサートなって行きますが、ファイナルコンサートをを企画していくうちにロビー・ロバートソンは「どうせやるなら映像に残したい」と考えマーチン・スコセッシ監督に依頼したことが映画『ラスト・ワルツ』の始まりです。
依頼を受けたマーチン・スコセッシ監督は、他の映画を撮影中ではありましたがThe Bandの曲を好きで、自らも進んで映画として撮りたいという意見が合致し『ラスト・ワルツ』の制作となったのです。
コンサートまでは、数週間しかありませんでしたが予算も決めずにスタート。
ステージの美しいデザインはウエストサイド物語を手がけたボリス・レヴェンに依頼したことで、ユニークな会場をつくりあげることに成功、特にサンフランシスコはアメリカ3大オペラに数えられる会場があるということで、会場作りにはサンフランシスコオペラから椿姫のセットを借りて、シャンデリアを3つ垂らすなど劇場の雰囲気を演出したことも美しいステージの魅力となっています。
素晴らしいステージの演出
コンサートの撮影は自分で考えてカメラを動かすことが重要視されるため、マーチン・スコセッシ監督はカメラマンではなく撮影監督自らにカメラを持たせて撮影させる体制を整えたそうです。
カメラは全部で7台を使用し、ステージ上のミュージシャンの動きやアングルなども美しく撮影されています。
撮影は曲の歌詞や出演ミュージシャンごとに、カメラカットや照明などの細かなシナリオを作成したことで素晴らしい映像を生み出すことができた。という事です。
出演者の順番については実際に行ったコンサートそのままではありませんが、映画としての進行はとても良く出来ていて解散コンサートとして心に響く作品になっていると思います。
演奏についてはライブ盤では良くあるようにオーバーダブを行なっています。
曲によっては映画とアルバムのバージョンが違っていますが、映画ではミュージシャの生の表現力が伝わってきます。
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The Bandメンバー
1958年ロニー・ホーキンスのバックバンド、ザ・ホークスから始まり、リヴォン&ザ・ホークスなどを経てのバンド活動はメンバーチェンジのないまま1976年に解散(実際には一時期リヴォン・ヘルムが抜けていたが1968年にバンドに戻る)
◉リック・ダンコ
ベース、ヴォーカル他
◉レヴォン・ヘルム
ドラム、マンドリン、ヴォーカル他
◉ガース・ハドソン
キーボード、サックス、ヴォーカル他
◉リチャード・マニュエル
キーボード、ドラム、ヴォーカル他
◉ロビー・ロバートソン
ギター、ヴォーカル他
ザ・バンドは、全員がヴォーカルを取れるので、曲の表現力にバリエーションができるのも魅力です。
出演アーティスト
エリック・クラプトン
ニール・ダイヤモンド
ボブ・ディラン
ジョニ・ミッチェル
ニール・ヤング
エミリー・ハリス
ヴァン・モリスン
ポップス・ステイプル
メイヴィス・ステイプル
ドクター・ジョン
マディー・ウォーターズ
ポール・バターフィールド
ロニー・ホーキンス
リンゴ・スター
ロン・ウッド
出演者演奏曲
Who Do You Love / ロニー・ホーキンス
ザ・バンドがロニー・ホーキンス&ザ・ホークスとして一緒に活動していた時期に録音されていた曲で、当時はもう少しブルース色の強い演奏でした。
映画の演奏は当時より洗練られた印象です。
It Makes No DifferenceSuch A Night / ドクター・ジョン
これも良い曲です。ドクター・ジョンのピアノが良いです。
Helpless / ニール・ヤング
ニールヤングです!
Stage FrightThe Weight / ザ・バンド&ザ・ステイプル・シンガーズ
スタジオで別撮りで演奏されたステイプル・シンガーズらと代わる代わる歌うボーカルが見所です。
Old Dixy DownDry Your Eyes / ニール・ダイアモンド
アコースティックギターを持って登場する大御所、サウンドがカッコいいです。
Coyote / ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェルのジャージーな曲はロック色の強いライブの中では畑違いに感じますが、名曲です。
Mystery Train / ポール・バターフィールド
ブルースハープのポール・バターフィールドはマディー・ウォーターズやジャニス・ジョプリンなど様々なアーチストと共演しています。
フレーがすばらしい!
1987年にBBking&friendsとの共演後死去。
Mannish Boy / マディ・ウォーターズ
最高のブルースです。若かりし頃はこの魅力が理解できなかったのですが、音楽を経験していくうちに良さがわかるようになった曲です。
Further On Up The Road / エリック・クラプトン
CDと映画では曲の構成が違っているのですが、映画のバージョンが最高です。
エリック・クラプトンのライブではよく演奏される1曲ですが、ラストワルツのライブバージョンは格別です。クラプトンのソロに引っ張られてロビー・ロバートソンが、ここぞというソロを披露するのが魅力です。
Evangeline / ザ・バンド&エミルー・ハリス
スタジオでの別撮りです。
Genetic MethodOpheliaCaravan / ヴァン・モリソン
熱気のステージを感じられます。
Forever Young / ボブ・ディラン
CDとはバージョンが違いますが、映画のバージョンがおすすめです。
Baby Let Me Follow You Down / ボブ・ディラン
I Shall Be Released/ボブ・ディラン+全員
ラスト・ワルツDVD
2枚組DVDでは、DISC1に本編DISC2に映像特典が収められています。
DISC2には、ガース・ハドソンのシンセに合わせてリンゴ・スターのドラム、ニール・ヤング、ロン・ウッドのギターなどが加わりジャムセッションが行われます。テープが途中で終わってしまい最後は音声だけになってしましますが、こちらの映像も楽しめると思います。