クリックできる目次
ビートルズ ハリウッドボウル・ライブ が高音質で
ビートルズ ハリウッドボウル・ライブ は、以前LP盤スーパーライブとして発売されていたバージョンに新たな未発表曲を含め高音質でバージョンアップして登場。
The Beatles Live At The Hollywood Bowl CD
1977年に発売されたスーパーライブとは
ライブ盤としては発売するには不可能
ビートルズのライブアルバムを考えていたキャピタルは、ニューヨークのカーネギーホールでのバンド演奏をレコーディングする予定でしたが、ユニオンとの問題で中止になってしまい、その後ビートルズは大規模なコンサートが中心になったため、ライブレコーディングが難しい状況になってしまいました。
その中で、キャピタルは1964年の8月23日と1965年の8月29日・30日にハリウッドボウルをライブレコーディングするに至りました。
当時ジョージ・マーチンは余りにも凄まじい騒音の中での録音は相当劣悪な状態で、スタジオ録音と比べて品質も落ちるためライブ盤としての発売は不可能だと考えていたようです。
ライブ盤として発売へ!
ジョージ・マーチンがキャピタル社長バスカー・メノンの依頼で初期のテープを聴くことになった時、
『現存するビートルズのライブレコーディングは、ハリウッドボウルだけという貴重なものでも心は動かされなかった。心動かされたのは、そこから伝わってくる熱狂的な雰囲気と荒削りなエネルギーだった』
と語っています。
そこでエンジニアのジェフ・エメリックとともに、3トラックに録音されたテープを蘇らせるための作業を開始し、1977年にライブアルバム「スーパーライブ」を完成させました。
ライブアルバムによってはスタジオで音をオーバーダブして発表されるケースも多い中、ジョージマーチンはオーバーダブなしの純粋なライブレコーディングにこだわり完成させています。
当時スーパーライブのLPレコードを聴くまでは、あの環境の中では演奏が雑で下手だと思っていたんです。しかし聴いてみるとそんな事は無く演奏の上手さと素晴らしいノリに興奮しました。
今回発売となったLIVE AT THE HOLLYWOOD BOWLのリミックスとリマスターは、息子のジャイルズ・マーチンが担当し、ジョージ・マーチンの意思を引き継ぎ、ありのままの音をより良い音で聴かせる以外に大きな改良せずに制作されています。
LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWLの演奏
ライブを聴いて思うのは、ジョンの絞り出すような迫力あるボーカルです。1曲目の「twist&shout」 の張り裂けんばかりの声には圧倒されます。またリズムギターのノリの良さは天下一品です。
バンドのサウンドもギター2本にベース、ドラムだけなのにこれだけ厚みを出せるのもポールのベース、リンゴのドラムが叩き出すサウンドの力強さに他なりません。
ジョージのギターテクニックに首を傾げる方が多いと思いますが、「ロール・オーバー・ベートゥーベン」や「ボーイズ」など和音をうまく使ったリードギターは、バンドにとってなくてはならないサウンドを作り上げています。
リンゴはボーカルには自信がないと不安を口にしますが、ボーイズでは熱気のこもったすばらしいボーカルを聴かせてくれます。
収録曲
1 Twist & Shout / ツイスト・アンド・シャウト(1965年8月30日)
2 She’s A Woman / シーズ・ア・ウーマン(1965年8月30日)
3 Dizzy Miss Lizzy / ディジー・ミス・リジー(1965年8月30日/1965年8月29日——1曲にエディット)
4 Ticket To Ride / 涙の乗車券(ティケット・トゥ・ライド)(1965年8月29日)
5 Can’t Buy Me Love / キャント・バイ・ミー・ラヴ(1965年8月30日)
6 Things We Said Today / 今日の誓い(1964年8月23日)
7 Roll Over Beethoven / ロール・オーバー・ベートーヴェン(1964年8月23日)
8 Boys / ボーイズ(1964年8月23日)
9 A Hard Day’s Night / ア・ハード・デイズ・ナイト(1965年8月30日)
10 Help! / ヘルプ!(1965年8月29日)
11 All My Loving / オール・マイ・ラヴィング(1964年8月23日)
12 She Loves You / シー・ラヴズ・ユー(1964年8月23日)
13 Long Tall Sally / ロング・トール・サリー(1964年8月23日)
新たに加えられた4曲
14 You Can’t Do That / ユー・キャント・ドゥ・ザット(1964年8月23日——未発表)
15 I Want To Hold Your Hand / 抱きしめたい(1964年8月23日——未発表)
16 Everybody’s Trying To Be My Baby / みんないい娘(1965年8月30日——未発表)
17 Baby’s In Black / ベイビーズ・イン・ブラック(1965年8月30日——未発表)
日本語解説付き
日本語解説には、ジャイルズ・マーチンのリミックス・リマスターについての解説やライブで演奏された曲についての詳細が書かれています。
例えば「2曲めに演奏されるYOU CAN DO THATではジョージがリッケンバッカーの12ギターを弾くために、1曲目のTWIST&SHOUTから12弦を使用していた」などの楽しいエピソードも解説されています。